ケトン体で自分らしい体型へ

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体型維持の課題

なぜダイエットは続かないのか?

続かない、リバウンドを繰り返すダイエットの
「INとOUT」の対策

さまざまな方法が流行しては去っていくダイエットの歴史

自分の理想の体型を求めて、多くの人がダイエットに挑戦しています。日本人の多くがダイエットに励むようになったのは、1964年の東京オリンピック以降と言われます。食生活の欧米化で肥満が増えたのと、スリムなミニスカート姿で来日した人気モデル・ツイッギーに女性たちが魅了され憧れたことから、ダイエットが脚光を浴びるようになりました。これまでに食べもの系や運動系、実に多様なダイエット方法が時代に合わせて登場してきました。しかしこんなにも次々と現れては消えていくのは、どの方法も目標達成できない、短期的には成功してもリバウンドしてしまうなど、道半ばで終わってしまう人が多いからなのかもしれません。

ダイエット方法の変遷

1960年
以前
外見の美しさを求めてのダイエット、美容ブームが欧米で盛り上がり日本にも
キャベツスープダイエット スイミング
1960〜
モデルのツイッギー来日で細い体型に憧れが集まる
健康サンダル
1970〜
ダイエットにおけるカロリーという概念が認知されるように
紅茶キノコ 自宅用フィットネス器具(ルームランナー、ぶら下がり健康器等)
1980〜
「◯◯を食べるだけ」ダイエットが流行、栄養の偏りが指摘され多くは尻すぼみに
「〜を食べるだけ」ダイエット:こんにゃく、酢大豆、ゆで卵、りんご等 鈴木式(料理研究家・鈴木その子氏提唱の油抜き食事法) カチンカチン体操
1990〜
「ダイエットにいい」とテレビ紹介で一躍ブームに 過度なダイエット法も出現
金魚運動器、ダイエットスリッパ、ダンベル体操 寄生虫ダイエット、カプサイシンダイエット、ヨーグルトキノコ
2000〜
インパクト重視の情報は飽和状態に あいまいな理由付けは淘汰され始める
ビリーズブートキャンプ、Wii Fit 低インスリン食、プチ断食、寒天、朝バナナ レコーディングダイエット 骨盤矯正
2010〜
体重減だけでなく健康や長寿を意識したダイエット法が本流に 運動系も台頭
タニタ食堂 耳つぼダイエット ロングブレス・ダイエット カーヴィーダンス ライザップ 白湯 サバ缶
2020〜
コロナ禍で自宅で完結するダイエット法が人気 効率性もさらに重要視
オートファジー:プチ断食で胃腸を空にし、体内の老廃物をエネルギーとして消費 抗肥満薬の登場

参考:NEWSポストセブン「紅茶きのこ、ブートキャンプ、タニタ食堂…時代とともに変容するダイエット流行史(2023.01.05)

ダイエットの基本は「IN/OUT」の制御
シンプルではあるがうまくいかないのが現実

世の中では実に多くのダイエット方法が紹介されていますが、「やせる」ために必要なことは、ごくシンプル。食事などからの摂取カロリー(IN)が運動などのカロリー消費(OUT)を上回れば太り、逆になればやせます。ただし、単にエネルギーの量だけでなく、食事や運動に伴うさまざまな要素が関係してきます。糖質か脂質かなど摂取するエネルギー源の種類、一緒に食べるものや時間、運動の種類、そしてその人の体質やダイエットに伴うストレスなども無視できません。複雑な要素が絡む中で、多様なダイエット方法が編み出されるものの、そううまくはいかないのが、多くの人にとっての現実です。

ダイエットのINとOUT

ダイエットのINとOUTイメージ

加齢とともに
太りやすく、やせにくくなる実感

30代から体型の変化を実感
9割が年齢とともにやせにくくなると実感

若い頃はあんなに食べても太らなかったのに、今はすぐ体重に跳ね返り、元に戻りにくくなった——年齢を重ねるとそんな実感を持つ人は多数います。30〜40代の女性を対象にしたアンケート調査では、体型の変化を実感するのは平均31.6歳。「年齢とやせにくくなっていると感じる」という人は実に9割にものぼります。

30代、40代になると、仕事や家事、育児などが忙しくなり、食事や運動などに時間や気力を割けない人も増えてきます。「健康な食習慣の妨げとなる点」として、30代、40代では「仕事・家事育児等が忙しい」「面倒くさい」という理由がぐっと増加しています。

「年齢とともにやせにくくなっている」と感じる人の割合
9割の人が年齢とともにやせにくくなっている(図)
出典:アラガン・ジャパン「アラガン・ジャパン、ダイエットに関する調査を実施 体型の変化を実感するのは31.6歳」(2022.11.10)
健康な食習慣の妨げとなる点 (複数回答/20歳以上、男女計)
9割の人が年齢とともにやせにくくなっている(図)
出典:厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査結果の概要」

加齢による基礎代謝の低下は体型変化を加速する大きな要因

30代を境に以前に比べて体型管理がしづらくなるのは、代謝の変化も大きな影響を与えています。基礎代謝は何もしなくてもエネルギーを消費するため、高いほうが体に脂肪が蓄積しにくくなります。しかし基礎代謝量は成人後、年齢を重ねるに従い低下してきます。肥満者の割合を見ても男女ともに30代以降に増加。放っておけば、加齢とともに、太りやすく、やせにくい体になってしまうのです。

日本人の基礎代謝基準値 (体重1㎏当たりの基礎代謝量:kcal/kg体重/日)
加齢に伴い基礎代謝は低下し、太りやすくなる(図)
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
肥満者(BMI≧25kg/㎡)の割合 (20歳以上)
加齢に伴い基礎代謝は低下し、太りやすくなる(図)

出典:厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」

求めているのは、単に体重減ではない
「太りにくく、やせやすい体質づくり」

究極の目標・負荷の大きすぎるダイエットは
離脱を招く 自分らしい体型キープをゴールに

ダイエットに失敗する要因の一つとして、「今の自分とかけ離れた、遠すぎる目標設定」があります。何年もかけて蓄積した体重増を若い頃のようにリセットしたい、あるいは憧れの芸能人やモデルの体型を理想として追い求める人もいるでしょう。しかし加齢とともに基礎代謝が低下している状態では、「IN/OUT」の制御、つまり食事や運動の制限や負荷が大きくなりがちで、結局は離脱やリバウンドを招きやすくなります。また極端なダイエットは健康に支障をきたすリスクもあります。

既存のダイエット
既存のダイエット(イメージ)

INでもOUTでもない
「太りにくく、やせやすい体質」になる

自分らしい体型をキープするには、加齢によって低下する基礎代謝量を補い、さらにエネルギーを燃焼しやすい体質に転じることが大切です。例えば筋肉をつけると太りにくくなるのは、筋肉中でエネルギー燃焼が起こるため。「IN/OUT」のコントロールを無理にがんばらなくても、太りにくく、やせやすい状態が長期的に続くことで、一時的ではない自分らしい体型の維持が可能になります。めざすべきは日常で過度な負荷がなく、自分らしい体型をキープする習慣です。

自分らしい体型キープ
自分らしい体型キープ(イメージ)

Column ダイエットの流行も「制限系」から
「バランス系」へシフト

ここ数年、負荷や制限の大きいダイエットから、より体全体のバランスを整えるダイエットへと、ニーズの変化が見られます。「関心のあるダイエットの関連ワード」アンケートをみると、2021年から2023年の変化として、「糖質制限」「プチ断食」といった制限系の数値が減少している一方で、「腸活(腸内環境を改善して消化吸収や排泄を整え、代謝をよくする)」「PFCバランス(筋肉を維持・増加させて代謝をアップしながら健康にやせるために三大栄養素を理想のバランスで摂る)」などの数値が増加しています。また筋トレ系は若年層は減少、中高年は拡大していますが、目的は「健康維持のため」へとシフト。生活者の健康意識が変容し、極端なメソッドよりも長期的な体質改善に価値をおくようになってきていることが見て取れます。

関心のあるダイエットの関連ワード
関心のあるダイエットの関連ワード(グラフ)
出典:@DIME「糖質制限に代表される「制限系」はニーズが縮小、
バランスよく摂取するダイエットへシフト」(2024.1.28)

脂肪燃焼による
「ケトン体」体内産生の仕組みと難しさ

「太りにくく、やせやすい体質」に欠かせない
脂肪燃焼とケトン体

生命活動を支える三大栄養素、糖質・脂質・タンパク質。それぞれ体内で代謝してエネルギーを産生します。これに加えて体内には、さらにエネルギーを作り出す仕組みが用意されています。そこでエネルギー源となるのが「ケトン体」です。

栄養素が十分に供給されているとき、体内ではまず糖質がエネルギー源として使われます。次に脂肪が燃焼され始めますがその発動はゆっくりです。糖質が枯渇すると、筋肉中のタンパク質が分解されてエネルギー源として使われます。さらに、体内の脂肪酸から「ケトン体」という物質が作り出されます。ケトン体は血流を介して脳や筋肉、臓器のミトコンドリアを活性化、エネルギーが産生されます。

「ケトン体」体内産生の仕組み(図)

体内でのケトン体産生は
厳しい糖質制限や運動が必要で容易ではない

脳のエネルギー源にもなるケトン体産生は、その昔、飢餓と戦いながら生きてきた人間が築き上げた体の仕組みです。中肉中背の平均的な体格の人間なら食事を摂らなくても水分摂取だけで、実は2か月程度は普通に暮らしていけるといいます。体内に貯蓄された糖質、タンパク質や脂質を総動員して生存のためのエネルギーを作り出すからです。

数年前から注目された糖質制限ダイエットは、いわば体にとっての飢餓状況を意図的に作り出し、ケトン体産生を発動させるもの。体内の脂質を燃焼させるには大変有効な方法です。しかし、ケトン体が産生する状態まで至るには、かなり厳しい糖質制限や断食、あるいは摂取したエネルギーを大きく上回るだけの激しい有酸素運動が必要になります。また、糖質を制限すると同時にタンパク質をしっかり摂らないと筋肉が分解され、体型キープにはかえってマイナスに。ゆるっと糖質制限を試すだけでは意味がありません。かなりストイックな努力を長期にわたって続ける必要があり、決して容易な方法ではないのです。

ケトン体エネルギーは飢餓状態に対応する仕組み
厳しい糖質制限や運動で糖質を枯渇させないと発生しない
ケトン体エネルギーは飢餓状態に対応する仕組み(イメージ)
参考:佐藤拓己『脳の寿命を延ばす「脳エネルギ−」ブドウ糖神話の崩壊とケトン体の奇跡』光文社(2021)

Opinion comment

医学博士、池谷医院院長
池谷敏郎 先生

池谷敏郎 先生

Profile

1962年東京都生まれ。東京医科大学医学部卒業後、同大学病院第二内科に入局。97年、医療法人社団池谷医院理事長兼院長に就任。専門は内科、循環器科。生活習慣病、血管・心臓などの循環器のエキスパートとして臨床の現場に立つと同時に、数々のテレビ出演、雑誌・新聞への寄稿、講演など多方面で活躍中。日本内科学会認定総合内科専門医、日本循環器学会認定循環器専門医。『50歳を過ぎても体脂肪率10%の名医が教える 内臓脂肪を落とす最強メソッド』・『60歳を過ぎても血管年齢30歳の名医が教える「100年心臓」のつくり方(東洋経済新報社)、『「末梢血管」を鍛えると、血圧がみるみる下がる!』(三笠書房)、『代謝がすべて やせる・老いない・免疫力を上げる』(角川新書)、など、著書多数。

IN/OUTを制御するダイエットの課題について

従来のIN/OUTを制御するダイエットは多くの人が失敗します。なかなか成果が出ず諦めてしまう人もいれば、成果が出たとしても続けるのはキツすぎて、リバウンドしてしまう方も多いのではないでしょうか。

年をとるにつれ、基礎代謝や運動能力が低下し、疲れやすくもなります。そうなるとダイエットはますます成功しにくくなります。加齢に伴う代謝の低下を補うような、「太りにくく、やせやすい体」になる体質改善ができれば、これらの課題はクリアされます。

「ハイブリッドなエネルギー消費」を実現するケトン体の可能性

代謝の改善に重要なのは、細胞のエネルギー生産工場ともいわれるミトコンドリアです。私たちの体は通常、食事で摂取した糖質を分解してエネルギー源としています。また、糖質が不足した際には脂肪を分解してケトン体という別のエネルギー源をつくり、細胞内にあるミトコンドリアという小器官でエネルギーに変換しています。すなわち、ミトコンドリアの活性化は脂肪の燃焼にもプラスの作用をもたらします。

本来、体の中では糖質の枯渇を経てつくりだされ、脂肪をエネルギーに変えるのがケトン体。現代人にとってケトン体は、厳しい糖質制限をやり抜いた人だけが与えられる、“神様からのプレゼント”にのようなものです。体内でケトン体が発生するほどの厳しい糖質制限は、多くの人が挫折します。そのケトン体を外から補充できるとしたら、非常に画期的なダイエット法になり得ます。

ケトン体という新しいエネルギー源を活用できる体とは、車で例えれば「ハイブリッドカー」のようなものです。これまでのIN/OUTダイエットとは異なるコンセプトで、ハイブリッドなエネルギー消費経路を活用することで、自分らしい体型をキープする助けになり、より健康に生きていけると考えられます。

ケトン体の摂取に対する期待や可能性について

中年以降では体型の変化が気になる人が増えてきます。その変化には内臓脂肪が大きく関係します。「おなかポッコリ」「メタボ」は内臓脂肪増加によるもの。単に見た目が気になるというだけでなく、生活習慣病やがん、脳神経疾患、腎不全、認知症など、さまざまな疾患と内臓脂肪との関連が指摘されており、国も特定健診などを経て啓発を続けています。「太りにくくやせやすい体質」になって体型をキープすることは、日本の健康課題の改善にもつながること。それをサポートするケトン体は、広く健康をキープするための要でもあるのです。

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